絶望から再生へ〜8050の問題作
元農水事務次官の事件に端を発して描かれた作品。
もしも、自分の子どもがいじめを苦にして学校に行かなくなったら？
そのまま50代の中年になるまで引きこもり、80代の親に寄生して年金を食い潰すことになったら？
親が死んだら、どうする？
『小説8050』では、50代の親と、中学生の頃にいじめに遭い、それから7年間引きこもっている20代の息子という設定だ。
優秀な姉の結婚話を機に、引きこもっていた弟の暴言や家庭内暴力が始まり、“臭い物に蓋”をしてきた両親が、真剣に息子に向き合う決意をする。
その決意とは、7年前に息子をいじめた人物を探し出し、酷いいじめの証拠を集め裁判を起こして、息子と一緒に復讐するというもの。
裁判で、“息子を追い詰めたいじめの首謀者たちに復讐する” という父親の突拍子もない話に、息子は戸惑い、不安を感じるが、少しずつ両親に歩み寄るようになる。
そして、父親を筆頭に、家族がそれぞれ「覚悟」をもって、未来をかえるために、過去と闘って再生していくというストーリー。
仕事柄、7年前のいじめの証拠集めについては、とても興味深く、改めて、“諦めない執念深さ” を思い知らされた。
この裁判を請け負う弁護士の戦術も、学ぶべき点がたくさんあり参考になる読み物だった。
人と人との関係は、「こうすべきだ」とか「こう来たら次はこう」なんて、決まったルールがあるわけではない。
「しっかり相手と向き合うこと」それがすべてだ。
逃げずに子供と向き合うこと、それができるのは親だけです。
あの人を探してほしい・・・・
知りたい事がある・・・・
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