その時、「津崎さん(仮名)」は上機嫌だった。
好意を抱いている事務員の「みくりさん(仮名)」とのラインを終えた時、メールの着信音が。
「ご視聴料金の未納が発生しております。本日中にご連絡なき場合、法的手続きに移行します。カスタマーセンター 03-6912-****」
真面目だけが取り柄の不器用な45才独身サラリーマンの津崎さん。
何のことだ? まさかあの時…? 払えば済む…?
何度か自問自答を繰り返したあげく、上機嫌の勢いで03-6912-**** をタップ。
「アースネット(株) カスタマーセンター 山崎です。ご連絡ありがとうございます。
まず、お名前をフルネームでお願いします」。
氏名を聞かれ、未納金額7万円を支払えとの事。
何度か電話でやり取りをし、郵便局から現金書留で送る様に指示された。
宛先は「二子玉川郵便局留め 土屋百合(仮名)」。
差出人住所は「東京都港区東麻布1-25 富山ビル2Fカスタマーセンター」。
送金を終え、これで済んだと思った津崎さん。
安心もつかの間、送金後も毎日、毎晩、電話が鳴る。
担当者も山崎から青木、金田、と入れ替わり立ち替わり電話がくる。
「法的手続きを止めるには別途5万円かかりますが、秋葉原に来てもらえれば無料で止める手続きが出来ます」との事。
数日後、休暇を取った津崎さんが秋葉原に行くと、電話で次々と指示が・・・
「神田神保町駅へ行って下さい」
⇓
「小川町郵便局へ行って下さい」
⇓
「小川町郵便局留めの自分宛ての現金書留を(身分証明書を見せて)受け取って下さい」
⇓
「その先の小川広場の入口に紙袋を持って立っている男がいます。その紙袋の中に、受け取った現金書留を入れて下さい」
真面目だけが取り柄の津崎さんは、上機嫌の勢いで詐欺メールの電話番号をタップしたが最後、7万円を払わされた上、詐欺の受け取り役として片棒を担ぐ羽目になってしまった。
津崎さんが受け取った現金書留の差出人の住所は、自らが送った時と同じ
「東京都港区東麻布1-25 富山ビル2Fカスタマーセンター」だった。
実際、港区東麻布1-25には4つのビルが建っており、よく似た名前の富田ビルが存在しているが、富山ビルはない。
架空請求詐欺事件では、個人情報がどこまで掌握されたかによって、その後も執拗に狙われて被害が拡大する事例が報告されている。
架空請求詐欺にひっかからない為には、不用意にメールの電話番号をタップしない。
もしタップしてしまったら、逃げる(電話を切り、以後は着信拒否、最後は番号を変えることも)。
まさに 「 逃げるは恥だが役に立つ 」。
知りたい事がある・・・・
探偵 ガルエージェンシー西神奈川にご相談ください (*´∀`)